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ヨウ素はどこから来た

最近になってからも、各地で放射性ヨウ素が検出されている。放射性ヨウ素の半減期は 8 日と短いため、3 月の水素爆発のときに放出されたヨウ素はもうほとんどなくなっている。それなのにこの時期に放射性ヨウ素が検出されるのはおかしいわけだ。そこで、

「まだ原発から大量の放射能が出ているのではないか」

とか、「その事実を政府や東電が隠しているのではないか」という不安が広まっているようだ。さらに、原発から遠く離れた長崎でもヨウ素が検出されている

しかし、もし原発から放射性物質が大量に飛んでいるのであれば、当然浄水場でも検出されるはずだし、同時にセシウムの数値も上がるはずだ。だが、実際にはそうなっていない。原因は別のところにあることになる。


実は、ヨウ素131は核医学において甲状腺ガンやバセドウ病の治療に利用されている(※1)。ヨウ素は甲状腺に集まる性質があるため、放射性ヨウ素を人体に投与すれば、それが出す放射線で甲状腺のガン細胞が破壊される。このような治療を受けた患者が出す尿や便には、当然高濃度の放射性ヨウ素が含まれることになる。これが下水に流れ、汚泥に溜まるというわけだ。


Wikipedia の「ヨウ素131」の項目によれば、

「日常的に輸送される下水汚泥がカナダ-合衆国国境で通過を拒否されたことがあるのは、医療用同位体としてのヨウ素131の使用が原因とされている。」

とのことで、医療用のヨウ素が下水汚泥に混じるのはほぼ確かなようだ。今回は長崎市も次のように説明している(上と同じ長崎市の資料)。

「今回検出された脱水汚泥中の放射性ヨウ素については、有識者の意見等を参考にすると、
放射性セシウムが検出されていないことから、福島第1原発事故の影響によるものではなく、医療目的に使用した放射性ヨウ素が患者の方から排出されたことが原因ではないかと考えております。」(上の長崎市のリンク)

結論としては、今回汚泥で検出されたヨウ素は医療用のものであると考えて良いだろう。なお、検出されているのはいずれも下水の汚泥であり、水道水ではないので安心して欲しい。


ちなみに、甲状腺ガンの治療のために投与される放射性ヨウ素の量は、team nakagawa によれば、37〜74億ベクレルとのことである。


※1 Wikipedia の「ヨウ素131」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%82%A6%E7%B4%A0131


at 09:56, greenlig, 放射線

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コメント
いずみくみん, 2011/09/20 10:39 PM

初めまして。
サイト名、面白いですね
ホント、笑えない現状ではあるのですが。
ヨウ素だけ検出されたのは、建屋内の溜まり水(事実上の冷却水)をセシウム吸着棟で分離した後の水蒸気に含まれるヨウ素を、こっそり排出したものが運悪く風向きのせいで再上陸した結果では?
汚泥の測定では、どうせ代表3核種しか対象としていないので突出した値に見えたのが真相ではないかと。

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